ブレグジット( Brexit)と金融の【3】「フォールバック(fallback)」2020/04/14

為替・金融・時事情報

今回は、ブレグジット( Brexit)と金融の【3】、「フォールバック(fallback)」の話です

フォールバック(fallback)とは、IT用語として使われる事が多いのですが、今後は金融についても登場する機会が増えてくるハズの用語です。ブレグジット( Brexit)についても、多分現在においては、使われてはいないと思いますが、ブレグジット( Brexit)は、紛れもなくフォールバック(fallback)そのものであると考えています。

You Tube リンク https://youtu.be/ZLe3zqFhmGY

フォールバック(fallback)のIT用語としては、通常使用する方式や系統が正常に機能しなくなったときに、機能や性能を制限したり、別の方式や系統に切り替えるなどして、限定的ながら使用可能な状態を維持することという意味で使われます。

トラブル・問題が発生した際に、無理をせず、休めさないで仕事を続けさせることを用語として表します。

金融の場合、フォールバック条項とは、金融取引契約で参照する金融指標の呈示が不可能になった場合の代替措置を定める条項です。LIBORが一時的に公表停止されたケースを想定した条項です。

しかしながら、LIBORを記載した契約書等に関して、取引の呈示が不可能になった場合、どのタイミングで、どの金利指標に移行するのかを定めたフォールバック条項がありません。代替措置を定める条項であるにもかかわらず、代替案の存在しない条項です。

つまり、IT用語のように、別の方式や系統に切り替えるなどして、限定的ながら使用可能な状態を維持することが、金融のフォールバック条項には出来ないのです。代替として決めている対象金利指標が無いからです。

ブレグジットにも同じ様なことが言えます。EUから離脱することに対して、将来において、決まっていないことを前提として、後から協議しましょう、という合意をEUと交わすことがブレグジットです。将来決まっていないことを、決めるということで金融とブレグジットが重なって移ります。

英国がEUと将来の関係の話し合いを始めてから、合意なき離脱の淵を回避するためにジョンソン首相に与えられた時間は多くありません。移行期間を1年ないし2年延長したいと考える場合は、6月末までに申請が必要です。

英国の産業界はコロナを含め、現在、6月末の合意延長期限に向け、非常に強い不確実性の中にあります。「合意ありの離脱」であれば、激変緩和措置としての移行期間がもたらされ、不透明感が薄らいだ中でEUとの将来関係についての重要な交渉に進むことができます。

ジョンソン首相がEUに対して、現在強く発言している「6月末移行期間延長なし」の場合には、合意なき離脱になるか、それにかなり近い形の極めて狭い範囲の合意しか結べないリスクを伴います。現時点でジョンソン政権はそこに向かっているように見受けられる、と懸念されています。

ITも金融も英国も、トラブル・問題が発生した際に、無理をせず、休めさないで仕事を続けさせる為の手段、手法、やり方が必要なのですが、その『やり方』が揺らいでいます。つまり、不確実性の中、月日が過ぎている状態です。

2020年4月3日 / 18:23  ロイターの記事です。

LIBOR問題、旗振り役不在 巨額デフォルト懸念も

世界で約400兆ドルの取引に参照されているロンドン銀行間取引金利(LIBOR)。

来年末の廃止を見据え、代わりの金利指標に移行する必要があるが、明確な旗振り役が不在で、議論が加速しにくい状況だ。放置すれば巨額のデフォルト(債務不履行)を引き起こす恐れもある

ブレグジット問題、英EU間での自由貿易協定(FTA)などの新たな枠組みについての協議が開始されていますが、貿易協定の妥結には、一般的に数年程度かかるとされています。

英国政府は2017年3月29日にEU条約(リスボン条約)50条を発動し、正式にEU側に離脱を通告しました。このEU条約50条が制定されたのは2009年であり、この条項が適用されたケースはかつてないことから、ブレグジット(Brexit)のプロセスが実際どのように進むのかは分かりません。

英国には現在ジョンソン氏という旗振り役を演じてはいるけれども、COVID19も重なったことや、各国の思惑やジョンソン氏の感染もあり、旗振りを放置せざるを得ない状況になっているのは間違いありません。

2020年3月12日 8:44 ブルームバーグの記事です。

英国とEUの通商交渉、新型コロナ感染拡大の影響で一段と厳しさ増す

英国と欧州連合(EU)の将来の関係を巡る交渉の見通しが、新型コロナウイルスで不透明になっている。英国はいかなる交渉期限の延長も拒否しているため、合意成立は危険にさらされている。

今回は、ブレグジット(Brexit)のプロセスにおいて、6月に交渉を打ち切る可能が警告されており、放置すれば巨額のデフォルト(債務不履行)を引き起こす恐れもある、という話でした。

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