日本の銀行・企業への経済支援政策と地銀破綻懸念 2020/04/23

為替・金融・時事情報

2020年4月23日 5:00 ブルームバーグの記事です。

地銀生き残り競争熾烈に、上場廃止や破綻懸念もー新型コロナ追い打ち

新型コロナウイルス感染拡大による急速な世界経済の悪化は、長引く低金利で厳しい経営環境下にある地方銀行に追い打ちをかける可能性がある。アナリストや投資家は、融資先企業の破綻や有価証券運用での損失により、上場廃止や破綻に追い込まれる銀行も出てくると懸念を示す。

今回は、日本の銀行・企業への経済支援政策と地銀破綻懸念という話と、少し「頑張れ島根県」です。

You Tube リンク https://youtu.be/H3CkUVQIDbE

新型コロナウイルス問題に対する経済政策の焦点は、金融市場の不安定化の阻止から、企業の支援へとシフトしつつあります。

「#afterCOVID」における、銀行や企業の売り上げ「逸失」分は、感染拡大の終息後も家計や企業の支出行動が慎重化するリスクを考えると、短期間で取り返すことは実に難しいと考えられています。

大手企業では、既に運転資金融資などで資金を調達する動きがみられています。今後のリスクに備えて予備的に手元資金を厚くする対応に関しては、特段の経済支援政策の必要は少ないですが、深刻な打撃を受けている産業や、手元資金が現に不足している企業による資金調達政策には、十分に配慮する必要があることは自明です。

政府の緊急経済対策は、移動制限による需要の「蒸発」を埋め合わせるため、個人に対する現金給付を含め、既に小規模事業者休業補償など規模が拡大しています。今後も「正常化」までの感染抑制策の長期化は避けられず、更なる多額の財政支出を伴う可能性があります。

また、より状況が深刻なのは中堅・中小企業であり、新型コロナウイルス問題の影響が飲食、宿泊、観光、医療など中堅・中小企業のウエイトが高い産業に集中しているだけに、なおさら短期間で取り返すことは実に難しいといえます。

経済の悪化懸念は、新型コロナ感染拡大を防ぐため各国政府が全国民を対象に導入した、「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」を確保する措置に起因しています。「正常化」に至るまでに、多くの人が失業に直面し、「#beforeCOVID」では好調だった企業が突然破綻寸前の状態に追い込まれるなど、リセッション(景気後退)が起こる懸念が高まっています。

国際通貨基金(IMF)が公表した世界経済見通しでも、楽観的なシナリオを描いたとしても、世界経済が元の成長パス「正常化」に戻るには、数年を要することが示唆されています。

金融庁は金融機関に対し、新型コロナの影響を受けた事業者から条件変更の相談があった場合、審査を行うことなく3カ月間の元金据置や期限延長など柔軟な対応を、既に求めています。そして、日銀は4月21日の金融システムリポートで、実体経済への影響が長引くと、足元の資金繰りひっ迫が信用力の問題につながる企業が増える可能性に言及しました。

日銀の低金利政策や人口減少で、地銀の本業収益は低迷しています。2019年3月決算で全105行の4割を超える46行が本業で赤字です(金融庁)。うち27行が5期以上連続の赤字です。

影響は顕在化しつつあります。格付け会社ムーディーズ・ジャパンは4月17日、第四銀行(新潟県)、百十四銀行(香川県)、山陰合同銀行(島根県)の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更しました。

これら3行は小売りや宿泊、飲食サービス業のエクスポージャーが大きく、新型コロナ終息後も本拠を置く県の経済成長率が「感染拡大前の水準に回復させることが容易でないとみられる」と、ブルームバーグの記事の中で記しています。

島根県にある山陰合同銀行は、現在、銀行格付けの高い山陰の地銀です。しかしながら、小売りや宿泊、飲食サービス業における「経済的なリスクの程度」が高いという懸念から、ムーディーズは格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更しました。

島根県の経済の一面を、近隣の広島県と岡山県で比較しました。

製造品出荷額の全国ランキングを表しました。広島県が10位で岡山県は15位となっています。対して、島根県は全国ワースト4位であり、3県の構成比を見ると、広島県49.6% 、岡山県44.6% 、に対して島根県は5.8%に過ぎません。

次に、観光消費額を都道県別で比較しました。3県の構成比は、広島県51.4% 、岡山県30.9% 、に対して島根県は17.7%と、かなり高い比率であり、島根県内で観光産業が如何に重要な経済であるかを物語っています。

地銀はこれまで保有してきた国債の多くが今後2-3年で償還期限を迎えます。更に、メガバンクを含め邦銀は、低金利環境の長期化に伴う資金の運用難を背景に外債のほか、不動産やヘッジファンドなどオルタナティブ投資を増やしています。

加えて、新型コロナウイルス問題の影響が飲食、宿泊、観光などのウエイトが高い産業に集中している中堅・中小企業が地銀への直接融資を襲います。

今後、市場の反転に機動的に対応できるのはメガバンクなどに限られており、地銀は利回りが下がったとしても安全運用が基本になるため、現在保有している、信用力の低い米国企業向け貸出債権を束ねたローン担保証券(CLO)などを含めた投資では、ドル調達が円滑にできるかも問われることになります。

加えて、そこにLIBOR問題が被さってくることから、地銀が非常に難しい環境になることは必至である、という話でした。

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