日銀「枠」を超えないアメとムチ政策 2020/0427

為替・金融・時事情報

2020年4月27日 / 13:15 ロイターの記事です。

日銀、社債・CPの買い入れ20兆円に増額 国債購入上限を撤廃

日銀は27日に開催した金融政策決定会合で追加緩和策を決定した。企業の資金繰り支援を徹底し、金融市場の安定を維持する観点から、1)CP・社債の買い入れ増、2)新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた企業向けの金融支援オペの拡充、3)国債のさらなる積極的な購入──を打ち出した。

今回は、「枠」内でアメとムチを使って先延ばしする日本の金融政策の話です。

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日本の銀行・企業への経済支援政策と地銀破綻懸念 2020/04/23、の最後でこのように記しました。

2020年4月27・28日、次回の金融政策決定会合で社債やCPの買い入れの強化が決定されるとの見方もあります。どのような形になるかは解りませんが、日本においても米国のように、中央銀行(日銀)が財政を実質的に支援する事例が出てくるのでは無いかと、次の未来予想を想像、そして危惧しています。

米国では、FRBの「枠」を大きく超えた、民間企業への「直接融資」や、自治体の債券まで買って、大恐慌以来の危機に備えようという「FRBにより決められていたドル金利」を投影するような「覚悟」がうかがえました。

FRBの「覚悟」により、為替市場では3月以降、ドル相場が全体のけん引役となり、金融市場の鎮静化を見せています。

今回、2020年4月27日の金融政策決定会合では、相も変わらず、

『2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。

マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。

当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。』と同じ方針を繰り返すだけに終わりました。

中小規模事業者に対しては、新型コロナ対応金融支援特別オペの拡充として、

『金融機関が、企業を中心に幅広く民間部門に対する金融仲介機能を一層発揮することを、しっかりと支援するため、

①対象担保範囲の家計債務を含めた民間債務全般への拡大(対象担保:約8兆円→約23兆円)、

②対象先の拡大(新たに、系統会員金融機関等を含める)、

③本オペの利用残高に相当する当座預金への+0.1%の付利、の3つの措置を講じる。』としました。

これは、中小金融機関のインセンティブを高める、つまり、これまで通りの、金融機関にアメを用意する政策です。対象先の金融機関が、信用保証付き融資などの貸付けを全額保証することの拡充に加えて、利用残高に相当する当座預金へ+0.1%を付利するという政策です。

日銀が財政を実質的に支援する事例・政策では無く、「枠」内のアメを与えるだけの政策でした。市場の反応は、やれやれ売り、円高に振れました。少しだけ逆オイルショックの資金が流れ出したと考えています。

物価モメンタムは損なわれたとして、2%の物価安定目標の実現に事実上白旗をあげ、政策金利に物価を紐付ける枠組み、を停止しただけという声も聞こえています。

残された政策は、ムチを入れない、3)国債のさらなる積極的な購入、政策です。先送り資金を注入しながら、具体的方向性を持った国策がなされなければ、ただ資金だけが費消される結果になる可能性が高い、という話でした。

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