リブラ(フェイスブック)とデジタル人民元 2020/05/15

為替・金融・時事情報

2020年5月15日 14:42 ブルームバーグの記事からです。

米フェイスブック提唱の仮想通貨「リブラ」の運営団体であるリブラ協会は、シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスが同協会に加盟したと発表した。

リブラの発行計画は2019年6月に発表された。同協会は現在、24の企業・非営利団体から成る独立組織により運営。20年後半のリブラネットワーク立ち上げに向けて準備を進めていることが先月明らかにされた。

今回は、リブラ(フェイスブック主導)とデジタル人民元の話です。

You Tube リンク https://youtu.be/Jfj7IXg51uQ

米国政府は米フェイスブックの仮想通貨「リブラ」について、「国家安全保障上の問題(ムニューシン財務長官)」とまで言及しました。フェイスブックもそれに呼応して方向性を変えるなどの手を打ちながらも、ニュースを見る限り、着実に歩みを進めています。

G-20参加国の財務担当者も「ステーブルコイン・プロジェクトが『運営を開始』するためには、マネーロンダリング、違法金融、消費者保護などの問題を精査する必要がある」としなららも、水面下では次世代の通貨覇権の確立に向けた激しい駆け引きが、各国において既に始まっています。今回もシンガポールの政府系投資会社が加盟しています。

しかも、ここにきて中国の中央銀行デジタル通貨、いわゆる「デジタル人民元」のユーザーインターフェースが4都市で、実際に開始されています。デジタル人民元は、人民銀がユーザーに直接発行するのではなく、商業銀行を通じて人民元と交換することが明らかになっています。

また、デジタル人民元の取得や使用には実名制が導入され、政府はデジタル通貨の流通やユーザーの使用データを閲覧することができます。当面は中国内でだけ流通し、リブラのような国際送金に使われることは想定していないとしています。

現代の金融システムは、中央銀行が通貨を一元的に管理し、傘下にある民間銀行を通じてマネーの流通をコントロールするシステムで出来上がっています。現在の基軸通貨は勿論米ドルですが、これは、米が常に巨額の貿易赤字を出しながら、多額のドルを世界にバラ撒くことと平行線上でつながります。

つまり米国は貿易赤字を通じて、これまで永きにわたり、全世界にドル経済圏を構築してきました。世界経済におけるドル覇権の影響力はすさまじく、各国企業はドルなしではグローバルな経済活動を継続できません。

ドル覇権が続く限り、米国には金融機関を通じて世界のあらゆる情報が集まってきます。保守的な日本人にはまったく理解できない話かもしれませんが、通貨覇権国というのはお金の動きをチェックするだけで、全世界の情勢をほぼリアルタイムに把握できてしまいます。

身近なところで言えば、米国の映画やドラマの中で、マネーロンダリングを扱う出来事や、FBI捜査官が資金の流れを追うなどの話が日常的に出るのも、その為です。

米国民は現代の金融システムを肌で感じている訳で、保守的な日本人とは金融リテラシーのレベル、見方が全く違うのです。

全世界で27億人の利用者を持つフェイスブックが、本格的な仮想通貨の計画を打ち出すことのインパクが、米中の通貨当局にとっていかに大きいものであるか、想像が付きます。

そして、「リブラ」とドル覇権に対して、影に隠れたふりをして挑戦状を叩き付けているのが中国です。中国は人民元をベースにした独自の銀行送金ネットワークの構築に乗り出し、最終的にドル覇権を周辺から突き崩そうとしているハズです。

リブラ協会のHPを見ました。命題として、

「グローバルな取引を再構築し、金融上の国境を取り除くための同盟です。」

「Libraによって数十億人がより包摂的な金融サービスを受けられるようになります。」

となっています。また、評議会メンバーになるには、ネットワークを成功させるために出資する必要があります。

評議会の当初のメンバーは創立者と呼ばれ、ネットワークの初期バリデータノードとして活動します。このようなノードになるには、プロジェクトに1,000万ドル以上出資する必要があります。と明記しています。

今回は、これから発表されるであろう「リブラ」の資金を、小国の国家予算並みの資金にすることは容易い、という話でした。

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